ライアンとジュリアのエクセレント・アドベンチャー (Ryan' & Julia's Adventure--Japanese)
さあゲームをはじめよう
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夜の闇にまぎれてきみは海賊船のせまい貨物置き場にもぐりこみ、逃亡に必要な食べ物などをさがす。ようやくバーチビール(ジンジャ−エ−ルに似た炭酸飲料)の6本パックと、粗雑な作りの缶入りハムをみつけ、いそいで麻のリュックに放りこむ。バーチビールとハムは、小人海賊の食生活をささえているものらしい。缶は鉛でできているために麻袋のなかでずっしりと重く積み重なっている。

バーチビールは泣く子もだまるウィリー・ゴートの海賊たちがみずから蒸留して作ったもので、長い航海中鮮度を保つために大砲の玉を溶かして作った鉛の缶に入れられている。この保存法の興味深いのは鉛が使ってあることだ。鉛は人間にとって有害な物質で、体内に蓄積されると鉛中毒という病気になってしまう。鉛中毒はたいへん恐ろしい病気で、これにかかると発狂し、ついには死にいたることもある。この缶入りの食べ物を常食する海賊たちは、同時に大量の鉛を口に入れていることになる。それが小人のならずものたちの凶暴な性格に影響しているのはいうまでもない。きみは鉛の缶入りの食べ物をもっていくのにすこし躊躇するが、少量だったら体にそれほど害はないと考える。

逃亡に必要なだけの缶を手に入れると、きみはつぎに即席のいかだを作るのに取りかかる。さっと貨物置き場を見渡したところでは、航海にたえられそうないかだを作るのに適当な材料はないようだ。浮く可能性が少しでもありそうなものといえば、部屋のすみにきれいに重ねられた木製の義足だった。ミニチュアサイズの木の棒は、まるで海賊が戦闘で足を失ったらすぐさま取り付けられるよう、きちんと手入れされそこに置いてあるようだ。きみは15から20本の義足をつないで、どうにか海に浮くものを作ろうとプランを練る。そしてそばにあったロープを使って義足をくっつけようと手を必死に動かす。夜を徹して働き、ようやく最後のロープをかろうじていかだの先頭とわかる部分に結びつけ、作業を終了した。勇気を奮いおこして、束縛から自由へ帰還するためにきみは暗い貨物置き場のなかをそろり、そろりと歩き出す。

真っ暗な場所を手探りで歩いていくきみはすっかり船の低い天井のことを忘れてしまっていて、とび出た横梁に頭をしたたかうちつけてしまう。最後に覚えているのは、床に倒れこむ寸前に痛みのあまりあげた自分の奇妙な叫び声だった。数時間後しだいに意識を回復するきみは、小人の海賊集団が自分をかこんで笑っているのに気がつく。頭のうしろには、大きな梁にあたってできたこぶがある。だんだんただのわめき声が理解可能な言葉となり、海賊のひとりが、きみの叫び声を称してぜんそく持ちがバグパイプを吹いているみたいだったと話しているのがわかった。しばらくすると頭がようやく現実に戻ってきて、逃亡の途中でつかまってしまったことを理解する。小人の悪人どもは、すでに盗んで袋のなかに入れた缶詰めと即席のいかだをみつけていた。きみはづぎにおこる最悪の事態を想像して恐怖で身がちぢこまった。この瞬間にも、たぶんゲリ−・コールマンが「なに話してるのさ、ウィリー?」というよりも早く、きみは床の上を引きずられ、はらわたをえぐられ、魚のえじきになってしまうだろう。

しかし信じられないことに海賊たちはその場を動かないどころか、左目のとびでたひとりの海賊が進み出てきみが起きあがるのを手伝ってくれる。呆然とするきみに海賊たちはやんやの喝采をおくる。七つの海にその名を恐れられる海賊たちが、まるで敵に火をつけられた船を救ったのがきみだったかのように扱うのに目を白黒させる。喝采がやむと海賊の頭とおぼしきひとりが進みでて、彼らがきみの逃亡の計画にたいへん感心したと説明する。そして仲間として海賊の一団に迎えいれたいと話す。

この背の低い海賊によれば、この船はオーストラリアのマレー川へ向かうところだという。マレー川は全長約2589キロ、オーストラリア最長の最も有名な川だそうだ。それから羊牧がさかんなこの地域にとって、ひつじを運搬する交通路であるこの川は貿易の要であることも教えてくれる、ひつじを乗せた船を襲いひつじを奪って金にかえるのが目的で、ウィリ−・ゴ−トの海賊たちはマレー川に向かっているのだった。きみはその誘いを受け、恐怖の海賊団のいちばん新入りで背の高い海賊として、マレー川に向かうのである。

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