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ページG何時間もこの小さな海賊船に高波がぶつかるのを聞いているうち、きみもようやく眠くなってくる。小型船のゆれのせいで催眠術にでもかかったように、前日の出来事の記憶は洗いながされ、心は夢の世界に入っていく。数分の眠りが数時間になり、やがてすっかり夜があけてしまうまでぐっすり寝入ってしまった。 突然、せまい貨物置き場に寝ているきみの頭のすぐ横で、雄鶏がけたたましい鳴き声をあげ、深い眠りについていたきみの意識は目覚めはじめる。雄鶏の鳴き声は夢と奇妙に重なりあって、鳥の姿がポップコーンに変わり、頭のなかで、チキン・ダンスを踊っていた。まるでダリの絵のような光景がしだいに現実のなかへ消えていき、かわりに頭上の甲板で、パタパタと小さな足音がするのがはっきりと聞こえた。つぎに20cmほどのちっぽけな靴がかたまりとなって、貨物置き場に続く階段をゆっくりと、どかどか音をたてながら降りてくるのをみて、恐怖がひたひたときみを包みこんだ。 ウィリー・ゴートの海賊たちは小人だが、彼らにつかまったら最期、はらわたを引きさかれて殺されてしまうので有名であった。きみの知っている背の低い人間はたいてい親切で、いっしょにいて楽しいやつらばかりなのに、この海賊たちときたらまん丸の小さな光る目、するどい犬歯、大きな剣をもって、たえず聞くにたえない言葉でどなり散らしている。するといきなり、かしましい小悪人の集団のなかから海賊の頭があらわれた。テニスボールのサイズほどのこぶしをわずかに振って頭が合図すると、乱暴者の一団があっという間にきみのからだを持ち上げて、甲板へ運んでいく。せまい階段を上がっていくとき、きみは低い天井にぶつからないように頭を引っこめる。ならず者たちはものすごい勢いで、ロープと柱が複雑にからみあった場所にきみをぐるぐる縛りつけてしまう。 全身入れ墨だらけの小人が、インクと針をもってかげからあらわれたとき、きみは自分の運命をさとった。水素ガスを含んだような奇妙な声で海賊の頭は、きみが人間宝地図になるために特別に選ばれたことを告げる。きみの未来はいまや完全に封じこめられ、人間宝地図として、七つの海に名をとどろかせる恐怖の海賊船の上で一生を過ごすことになるのである。 |
